親の介護、どこから始める?介護サービス比較ガイド 自宅か施設かチェックリスト付き

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日本は世界でも有数の高齢化社会となり、今や65歳以上の方が全人口の3割近くを占めています。そんな中、介護が必要になる人の数も年々増加しています。

「親が年をとってきたけど、今はまだ元気だから大丈夫」と思っていても、急な入院や体調の変化で、突然介護が必要になるケースも少なくありません。

たとえば、ある日突然転倒して骨折してしまった高齢の母親。退院後、自宅での生活には見守りや日常生活の手助けが必要になりました。

このようなときに、どの介護サービスを使えばよいのか、すぐに判断するのはとても難しいものです。介護サービスの種類や特徴をあらかじめ知っておくことは、自分や家族の安心にもつながります。

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目次

自分や家族に合った介護サービスを選ぶには?

介護サービスとひとことで言っても、実際にはさまざまな種類があります。たとえば、自宅に来てくれる「訪問介護」、日帰りで利用する「デイサービス」、短期間だけ施設に泊まる「ショートステイ」など、それぞれに役割や特徴があります。

大切なのは、自分や家族の生活スタイルや身体の状態、介護にかけられる費用などに合わせて、無理のないサービスを選ぶことです。「家で過ごしたい」「家族の介護負担を減らしたい」「施設に泊まるのは不安」といった思いに応じて、柔軟に選択肢を考えていきましょう。

この記事では、主な3つの介護サービスについてわかりやすく紹介していきます。初めて介護と向き合う方にも、安心して読んでいただける内容を目指しています。

1.訪問介護とは?

利用できるサービス内容(身体介護・生活援助)

訪問介護とは、介護スタッフが利用者の自宅に訪問して、日常生活のサポートを行うサービスです。大きく分けて「身体介護」と「生活援助」の2つがあります。

たとえば身体介護では、着替えや食事の介助、入浴のサポート、排せつの手伝いなど、直接身体に触れて行う介護を中心に行います。たとえば、自力でお風呂に入るのが難しいお年寄りに対し、転倒しないように手を貸したり、洗髪や背中を洗うお手伝いをしたりします。

生活援助は、買い物、掃除、洗濯、調理など、日常生活を支える家事をサポートします。一人暮らしの高齢者にとっては、週に数回でも掃除や食事づくりを手伝ってもらえることが大きな安心につながります。

利用対象者と利用条件

訪問介護は、介護保険制度を利用して受けることができます。要介護認定を受けた方が対象で、「要介護1」以上の認定を受けていることが基本条件となります。要支援の方には、介護予防訪問介護という別のサービスが提供されることもあります。

また、訪問介護を受けるには、ケアマネージャー(介護支援専門員)が作成する「ケアプラン」に基づいてサービス内容が決まります。たとえば、週3回の訪問で食事と入浴の介助をしてもらいたい、といった希望を伝えることで、自分に合った支援を組み立ててもらえます。

訪問介護のメリット・デメリット

訪問介護の大きなメリットは、住み慣れた自宅で過ごしながら介護が受けられる点です。家族と一緒にいられる安心感があり、生活のリズムを大きく変える必要がありません。また、プライバシーが守られる点も多くの利用者から好評です。

一方で、介護職員の滞在時間が限られているため、1日に何時間も手厚いサポートが必要な方には向かないことがあります。また、サービスの内容や範囲は介護保険制度に沿っているため、「ちょっとしたことも頼みたい」と思っても、それが制度の対象外になるケースもあります。

このように訪問介護は、できるだけ自宅での生活を続けたい方にとって、心強い選択肢の一つです。

2.デイサービスとは?

.日帰り利用の仕組みと過ごし方

デイサービスは、日中の時間帯に施設へ通って、介護やリハビリ、食事、入浴などの支援を受けられるサービスです。基本的には朝に自宅まで迎えが来て、夕方には送り届けてもらえる仕組みになっているため、家族の負担も軽減されます。

たとえば、認知症のある父親が昼間ひとりで過ごすのが不安になったというご家庭では、週に3回デイサービスを利用するようになりました。施設では食事やお風呂の介助があるだけでなく、スタッフや他の利用者との交流もあるため、以前より笑顔が増えたそうです。

デイサービスは単に介護を受けるだけでなく、家の外に出るきっかけにもなります。家にこもりがちだった高齢者が、施設での活動を楽しみにするようになるケースも少なくありません。

提供される主なプログラム(リハビリ・レクリエーションなど)

デイサービスでは、利用者が楽しみながら心身を動かせるように、さまざまなプログラムが用意されています。

代表的なのがリハビリです。理学療法士や作業療法士が常駐している施設では、個別の運動プログラムや体操などを通して、転倒防止や筋力維持をサポートしてくれます。たとえば「階段を上がるのがつらくなった」と話していた80代の女性が、数ヶ月のリハビリで以前のように買い物に出かけられるようになったという話もあります。

また、レクリエーションでは、塗り絵や折り紙、歌、季節のイベント(お花見や夏祭りなど)が人気です。利用者同士の会話や笑顔があふれ、「今日は誰と話そうかな」と通うのを楽しみにしている方も多くいます。

送迎や費用、利用者の声

送迎サービスがあるのも、デイサービスの大きな魅力のひとつです。多くの施設では専用車両で朝と夕方に自宅まで送迎してくれるため、家族が車を出せない場合でも安心です。車椅子に対応した車両を備えている施設も多く、移動が不安な方にも対応しています。

費用は介護保険が適用されるため、自己負担は1割〜3割程度です。たとえば、1日利用しても500円〜1,500円ほどで済むことが多く、昼食やおやつ、入浴代込みの場合もあります。

実際にデイサービスを利用している方からは、「家で一人きりの時間が減って、毎日が楽しくなった」「家族に迷惑をかけている気がしていたけど、ここに来ると気持ちが楽になる」といった声がよく聞かれます。

デイサービスは、介護される側にとっても、介護する側にとっても、大きな安心をもたらすサービスです。

3.ショートステイとは?

一時的な宿泊介護の目的と活用例

ショートステイとは、介護が必要な方が短期間だけ施設に宿泊して介護を受けられるサービスです。たとえば「家族が旅行や出張で不在になる」「体調を崩して一時的に介護ができない」といったときに活用されます。

実際に、要介護認定を受けたおばあさんを介護していた娘さんが、法事で数日間家を空ける必要がありました。その間、おばあさんは近隣の特別養護老人ホームのショートステイを利用。食事や入浴、服薬管理などのサポートを受けながら、安心して過ごすことができました。

また、施設での生活に慣れてもらう「お試し利用」としてショートステイを活用する方もいます。将来的な入所を見越して、事前に施設の雰囲気や職員との相性を確認する機会としても便利です。

緊急時・家族の都合による利用ケース

ショートステイは予定を立てて使う場合だけでなく、急な入院や介護者の体調不良など、緊急時にも役立ちます。たとえば、介護をしていたお父さんが突然ぎっくり腰になって動けなくなり、病院で処置を受ける間、要介護の母親がショートステイに預けられたケースもあります。

また、介護疲れから少し離れて休養を取りたいという理由での利用も可能です。介護をしている方自身の健康が損なわれてしまっては元も子もありません。定期的にショートステイを活用し、「少し離れて気持ちをリセットする」ことも大切です。

予約は早めに行うのが基本ですが、施設によっては空きがあれば当日の受け入れもできる場合があります。地域包括支援センターやケアマネージャーに相談すると、状況に応じた施設を紹介してくれることもあります。

施設選びのポイントと注意点

ショートステイを利用する際に大切なのが、施設の選び方です。まずは施設の立地。できるだけ自宅に近く、通いやすい場所を選ぶと安心です。また、介護スタッフの対応や、食事、入浴設備なども事前に見学して確認しておくと良いでしょう。

たとえば、「夜間もスタッフが常駐しているか」「急な体調変化にどう対応しているか」など、細かい点を事前に聞いておくと不安が減ります。施設によっては、食事内容やレクリエーションの種類も異なるため、本人の好みに合ったところを選ぶことも大切です。

注意点としては、人気のある施設は予約が取りづらいこと。特に長期休みや年末年始などは利用が集中します。また、緊急利用できる施設は限られているため、いざという時のために「行きつけ」の施設を作っておくと安心です。

ショートステイは、家族の介護を支える大切なサポートです。「介護はひとりで抱え込まないこと」が、長く続けていくためのコツかもしれません。

親にとってどんな生活が安心か」「家族としてどこまで支えられるか」を話し合いながら、予算の中で現実的な選択をしていくことが大切ですね。気になる施設があれば、ぜひ見学にも行ってみてくださいね!

自宅介護 vs 施設介護 比較表

項目自宅介護施設介護
月額費用(目安)3万〜10万円(サービス頻度による)10万〜30万円(施設・介護度による)
介護者の負担家族が中心。身体的・精神的な負担が大きい24時間体制のプロが対応。家族の負担は軽減
利用できる制度訪問介護・デイサービスなど介護保険の適用高額介護サービス費、負担限度額認定など
住み慣れた環境◎ 本人の精神的安心感が強い△ 環境変化によるストレスもある
見守り・安全性家族の不在時に不安。見守りサービスが必要24時間介護スタッフが常駐
緊急時の対応家族が対応する必要がある即時に医療・介護スタッフが対応
介護の柔軟性家族の意向で柔軟に対応可能施設のルールや時間割に合わせる必要あり

※費用や制度の適用内容は、地域や要介護度によって異なります。
※「在宅でできる限り見たい」か「プロに任せて安心を優先したい」か、家族と本人の希望・状況に応じて選ぶことが大切です。

自宅介護・施設介護 どちらが向いている?チェックリスト

以下のチェックリストに答えて、あなたやご家族に合った介護の形を考えてみましょう。

チェック項目はいいいえ
介護者が同居しており、日中も対応できる☑️⬜️
本人が住み慣れた家で過ごすことを希望している☑️⬜️
介護度が比較的軽い(要支援〜要介護2)☑️⬜️
夜間の見守りや対応に不安がある⬜️☑️
介護者の体力・精神的な負担が大きい⬜️☑️
医療的なケアが頻繁に必要である⬜️☑️
介護保険の範囲でまかなうのが難しい⬜️☑️

家族構成や本人の希望、経済状況をふまえて、地域包括支援センターなどの専門機関にも相談してみるのがおすすめです。

利用できる介護制度は?チェックリストで確認!

次の質問に「はい」か「いいえ」で答えてみてください。チェックの多い方は制度の利用対象となる可能性があります。

質問項目はいいいえ
要介護認定をすでに受けている⬜︎⬜︎
住民税が非課税である⬜︎⬜︎
介護保険サービスを月に複数回利用している⬜︎⬜︎
年金以外の収入が少ない⬜︎⬜︎
自宅での介護に経済的な負担を感じている⬜︎⬜︎
特養や老健など施設の利用を考えている⬜︎⬜︎
介護に関する手続きが不安で、支援を求めている⬜︎⬜︎

結果にかかわらず、市区町村の介護保険課や地域包括支援センターに相談することで、正確な制度利用の可否がわかります。まずは気軽に窓口に問い合わせてみましょう。

家族で話し合うべき項目リスト

項目カテゴリ内容チェック
介護の希望本人は在宅介護を望んでいるか、施設を希望しているか?
介護の場所どこで介護をする(または受ける)予定か?(自宅、家族宅、施設など)
介護する人誰が主に介護を担当するか?(長男、配偶者、娘など)
担当の分担介護の「通院付き添い」「排泄介助」「金銭管理」など、誰がどの役割を担うか?
緊急時の対応急病や入院のときの対応は?誰に連絡する?
介護費用の分担月々の介護費は誰がどのように負担するか?
施設入所のタイミングどのタイミングで施設への入所を検討するか?(在宅介護の限界)
財産・通帳の管理本人が管理できなくなったら、誰が口座や年金を管理するか?
書類の保管健康保険証、介護保険証、銀行通帳、印鑑などはどこに保管してあるか?
エンディングノート本人の希望(延命治療、葬儀、相続など)は書面で残されているか?
支援制度の利用高額介護サービス費制度、限度額認定、自治体補助などの情報は共有できているか?
相談窓口の共有ケアマネジャー、地域包括支援センターなどの連絡先を家族で把握しているか?

まとめ

介護サービスには「訪問介護」「デイサービス」「ショートステイ」といったさまざまな選択肢があります。それぞれのサービスには、特徴やメリットがあり、利用する方の状況や家族の希望によって、ぴったり合う形が異なります。

たとえば、住み慣れた自宅での生活を重視するなら訪問介護、日中の活動や交流を大切にしたいならデイサービス、そして一時的に家族の手を離れてサポートを受けたいときにはショートステイが役立ちます。

いずれのサービスも、介護される側だけでなく、支える家族にとっても大きな助けになります。「ひとりで抱え込まないこと」「無理をしすぎないこと」が、長く安心して介護を続けていくためにはとても大切です。

まずは地域のケアマネージャーや包括支援センターなど、身近な相談窓口に話をしてみましょう。知ることで、選べる道が広がります。あなたやご家族の生活に合った、無理のない介護の形を一緒に見つけていきましょう。

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