要介護・要支援の違いとは?認定基準・サービス内容・介護保険の基礎と失敗しない申請準備術 チェックシート付き

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「要介護」と「要支援」って、何がどう違うの?
高齢の家族が倒れたとき、突然そんな疑問にぶつかること、ありませんか?

実はこの2つの違いを知らないままだと、本来使えるはずの支援が受けられなかったり、家族の負担が大きくなることもあるのです。

この記事では、認定基準・受けられるサービスの違い・申請時の注意点などを、実際の事例や家族の声とともにやさしく解説しています。
「まだ元気だから大丈夫」と思う前に、今のうちにできる備えを、一緒に確認していきましょう。

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目次

はじめに

要介護・要支援とは?その違いを知ることの重要性

「要介護」と「要支援」、言葉としてはよく聞くけれど、何が違うのかパッと答えられる人は少ないかもしれません。でも、いざ家族の誰かが高齢になり、介護が必要になったとき、この違いを知らないままだと、適切なサービスが受けられなかったり、無駄な費用や手間がかかってしまうこともあります。

たとえば、ある70代の女性が足腰の衰えで転びやすくなった場合、まだ日常生活はある程度自立していても、将来の介護リスクを減らすため「要支援」と認定されることがあります。一方、80代の男性が脳梗塞の後遺症で食事や排せつに介助が必要な場合は、「要介護」として手厚いサービスを受けられる可能性があります。

このように、本人の状態に応じて区分が分かれており、それに合わせた支援や制度が用意されているのです。違いを知ることは、本人や家族にとって安心と備えにつながります。

家族が介護を必要とする前に知っておきたい基礎知識

「まだ元気だから大丈夫」と思っていても、ある日突然、転倒や病気で生活が一変することもあります。介護が始まるときというのは、多くの場合“予告なし”です。だからこそ、事前に知識を持っておくことがとても大切です。

実際に、介護が必要になったお母さんのために慌てて調べ物を始めたという50代の娘さんのケースでは、「要支援」と「要介護」の違いが分からず、どの窓口に相談すべきか迷ってしまったといいます。制度を知らないと、手続きの出遅れや本来受けられるサービスを見逃してしまうリスクもあるのです。

この記事では、「要支援」と「要介護」の違いをやさしく解説しながら、家族みんなが安心して備えられるよう、制度や手続きのポイントをお伝えしていきます。

1.制度の基本的な違い

要介護・要支援の定義と認定基準

要支援」とは、日常生活のほとんどを自分でこなせるけれど、ちょっとした支えがあればもっと自立した生活ができる、という状態のことです。たとえば、掃除や洗濯などの家事が少し難しくなったり、外出が不安だったりする方が対象になります。

一方、「要介護」は、食事や入浴、排せつなど、生活の基本的な部分において介助が必要な状態を指します。症状や障がいの程度によって「要介護1」から「要介護5」までの段階があり、数字が大きいほど支援の必要度が高いことを意味します。

認定は市区町村が行い、本人や家族が申請すると「認定調査員」が自宅などを訪れて生活状況を確認。その結果をもとに、コンピューター判定と専門家の意見を踏まえて、最終的に認定結果が出されます。

支給されるサービスの違い

要支援の方には、「介護予防サービス」と呼ばれる軽度の支援が中心です。たとえば、デイサービス(通所介護)で体操やレクリエーションに参加したり、ヘルパーが週に1回掃除を手伝いに来てくれたりする内容です。目的は“今の状態をなるべく長く保つ”ことにあります。

それに対して、要介護の方には、より手厚いサービスが提供されます。たとえば、毎日の入浴や食事の介助、夜間の見守りなど、生活全般にわたる支援が含まれます。また、特別養護老人ホーム(特養)や訪問介護など、施設や在宅でのサポートが組み合わされることも多くなります。

ある80代の男性が要介護2と認定されている例では、週3回のデイサービスに加え、訪問看護や配食サービスを利用しており、自宅で安全に暮らせるような体制が整えられています。

認定調査の流れと判定方法

介護認定を受けるためには、まず市区町村の窓口に申請を行う必要があります。

申請後、認定調査員が本人の自宅に訪問し、聞き取りや動作確認などを行います。これを「一次判定」といい、全国共通の基準に基づきコンピューターで分析されます。

その後、医師の意見書と合わせて、保険・医療・福祉の専門家で構成された「介護認定審査会」によって「二次判定」が行われ、最終的な認定結果が通知されます。結果が出るまでには通常1か月ほどかかります。

たとえば、認定調査では「立ち上がりに介助が必要か」「薬の管理ができているか」など、細かくチェックされます。この調査結果と医師の診断を総合的に見て、要支援か要介護か、どの段階にあたるかが決まるのです。

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2.対象者の状態像と支援内容

要支援の人に見られる特徴と支援サービス

「要支援」と認定される方は、基本的に日常生活は自分でこなせるものの、少しの支援があるとより安心して暮らせる人たちです。たとえば、70代の女性で「最近疲れやすくなって掃除や買い物がつらい」「階段の上り下りに不安がある」といった声がよくあります。

要支援1・2の方は、「介護予防」の視点でサービスが提供されます。たとえば、週1〜2回のデイサービスでの運動や口腔ケア、栄養指導、ヘルパーによる軽い家事援助などが利用できます。また、地域包括支援センターが中心となって、状態の悪化を防ぐためのプラン作成や見守り活動を行います。

目的は“なるべく自立した生活を長く続けること”。支援が軽度である分、本人の「できる力」を大切にしながら、生活の質を維持する支援が行われています。

要介護の人に見られる状態と介護サービス

「要介護」と判定される方は、日常生活の中で何らかの介助が必要になっている方です。たとえば、脳梗塞の後遺症で歩行が不安定な方、認知症で火の消し忘れや徘徊がある方などが該当します。

介護度によって提供されるサービスは異なり、要介護1では軽い身体介助(食事や排せつの見守りなど)が中心ですが、要介護5になると常に介助が必要で、24時間体制での支援が必要になることもあります。

たとえば、要介護3の80代男性の例では、訪問介護(ヘルパーによる介助)、デイサービス(機能訓練や入浴支援)、ショートステイ(短期入所)などを組み合わせ、介護保険内で柔軟にサービスを利用しています。家族の負担を軽減しながら、本人の安全と健康を守るための体制が整っています。

状態が変化したときの認定区分の変更手続き

人の状態は日々変化します。たとえば、転倒や病気で急に介護が必要になったり、逆にリハビリや支援で元気を取り戻して軽度になるケースもあります。

そうした変化があった場合には、「区分変更申請」を行うことで、再度調査を受けて要支援・要介護の区分を見直してもらうことができます。申請は市区町村の介護保険担当窓口やケアマネジャーを通じて行います。

たとえば、要支援1だった方が大腿骨骨折をして歩行が難しくなった場合、ケアマネジャーが区分変更を提案し、要介護1または2に認定され、利用できるサービスの幅が広がるといったケースもあります。状態に応じた柔軟な対応が可能な制度ですので、遠慮せず相談することが大切です。

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3.家族・本人が知っておくべきポイント

介護保険の利用手続きと相談窓口

要支援・要介護の認定を受けた後、実際にサービスを利用するには、「ケアプラン(介護サービス計画)」を作成する必要があります。要支援の場合は地域包括支援センターが、要介護の場合はケアマネジャー(介護支援専門員)が中心となって計画を立ててくれます。

まずは市区町村の介護保険課や、最寄りの地域包括支援センターに相談してみるのがおすすめです。そこで必要な手続きやサービス内容の案内を受けることができ、不安な点も丁寧に説明してもらえます。

たとえば、80代の父親の認知症が進み、家族だけでの介護が難しくなった娘さんは、地域包括支援センターに相談したことで、訪問介護や通所リハビリなどのサービスにつながり、精神的にも時間的にもゆとりができたそうです。

費用負担と利用者の負担割合の違い

介護保険サービスを利用するには、原則として費用の1割(または所得に応じて2〜3割)を自己負担する必要があります。たとえば、1万円分のサービスを受けた場合、自己負担は1,000円〜3,000円となります。

ただし、収入が低い方や生活保護を受けている方には、「高額介護サービス費制度」や「負担限度額認定制度」など、負担を軽減する仕組みも整っています。

たとえば、年金収入のみで暮らす80代の夫婦の場合、収入に応じた上限額が設定されているため、月の支払いが過度に重くなることはありません。こうした制度を上手に活用することで、安心して介護サービスを受けられる環境が整います。

要支援・要介護を正しく理解して備える方法

大切なのは、「自分にはまだ関係ない」と思わず、早いうちから知識を身につけておくことです。要支援と要介護の違いを知っていれば、いざというときに慌てず、家族にとって最善の選択ができます。

たとえば、70代の母親が軽い転倒をきっかけに体力が落ちたとき、「もしかしたら要支援かも?」と気づいた娘さんはすぐに市役所に相談。スムーズに申請とサービス利用につながり、その後の生活の質を保つことができました。

介護は突然始まることも多いからこそ、制度や支援内容を事前に理解し、家族で話し合っておくことが、より良い備えになります。

Q、要介護認定には認知症が大きな割合を締めていますか?

はい、要介護認定を受けている高齢者の中で、認知症が原因となっているケースは非常に大きな割合を占めています

厚生労働省のデータから見る現状(2020年代時点)

要介護・要支援の認定者に対する主な原因疾患は以下のように報告されています:

  • 認知症:約25〜30%
  • 脳血管疾患(脳梗塞・脳出血など):約15%前後
  • 高齢による衰弱(老衰・虚弱):約13%前後
  • 骨折・転倒による障害:10%程度
  • 関節疾患(関節リウマチ・変形性関節症など):数%

つまり、認知症は単独で最も多い原因となっており、高齢化とともにその割合は今後さらに増えると予測されています。

認知症が介護度に与える影響

  • 認知症の進行度によって、要支援1から要介護5まで幅広く認定される可能性があります。
  • 「物忘れが増えた」程度であれば要支援1や2ですが、日常生活に支障が出てくると要介護1以上の認定になることも珍しくありません。
  • 特に徘徊・妄想・失認(身近な人がわからなくなる)などの行動障害が見られると、家族の負担も増し、介護度が上がりやすくなります。

実感としても…

私自身も、母の物忘れが増えたことで「もしかして?」と思い、相談したことがありました。認定調査では、記憶の状態や判断力、時間の認識などが丁寧に確認され、「身体が元気でも認知機能の低下で介護が必要になる」ケースがあると実感しました。

まとめ

  • 認知症は、要介護認定の最大の原因です。
  • 認知症は身体の不自由さ以上に「日常生活の安全確保」や「見守り」の必要性が高く、介護サービスの利用が進みやすい傾向があります。

もしご家族に心配な兆しがあれば、早めに地域包括支援センターやかかりつけ医に相談することをおすすめします。

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📝 介護度申請の注意点

介護度(要介護・要支援)申請を受けるにあたっては、事前の準備や心構え、当日の対応がとても大切です。申請から認定までは制度的な流れに沿って進みますが、ちょっとした対応の違いで介護度が変わることもあるので、以下のような注意点を意識しておくと安心です。

1.事前に状態をメモしておく

  • 本人の日常生活の困りごと(例:排せつの失敗、食事の介助が必要、服薬管理ができないなど)を箇条書きにメモしておくと、訪問調査時にスムーズに伝えられます。
  • 特に**“できないこと”や“家族がしている介助内容”**を客観的に把握しておくことが大切です。

🔍「親は『大丈夫』って言っちゃうんですよね…」
→ 本人が元気そうに振る舞ってしまい、本来の介護負担が伝わらないことが多いので要注意です。

2.認定調査時には家族が同席する

  • できれば普段の様子をよく知るご家族が同席してください。
  • 調査員は「歩行」「食事」「認知機能」などの質問をしますが、本人が過小評価することがあるため、客観的な補足説明がとても重要です。

3.“一番大変な時”の状態で伝える

  • 本人が「普段はできる」と言っても、できない日や時間帯(夕方に不安定になるなど)がある場合は、その情報も伝えましょう。
  • 特に認知症の場合は「日によって波がある」ことも介護度に影響します。

4.病院の主治医に意見書を依頼する際も丁寧に

  • 認定には「医師の意見書」も使われます。主治医に現状をしっかり伝えることで、正確な評価につながります。
  • 普段の通院が短時間だと、医師がご本人の生活状況を十分に把握していないこともあるため、ご家族から補足情報を伝えるのがおすすめです。

5.“軽く見られる”リスクに備えて

  • 「歩けるから大丈夫」「料理もたまにするし」などと話してしまうと、介護の必要度が軽く見られてしまうこともあります。
  • 本人の“頑張っている姿”と“本当の困りごと”は別。現実的な困難さを隠さず伝えることが、適正な認定につながります。

介護認定を有利に進めるための7つのポイント

① 本人が“元気に見せる”ことを想定しておく

  • 認定調査では、本人が無意識に「できる」と言ってしまうことがあります。
  • 本人の“見せかけの元気”と、実際の介護状況は違うことを、家族が補足説明することが重要です。

🔍 例:「できる」と言っても、実際には家族が手伝っている場面が多いことを伝える。

② “できる・できない”ではなく“していない理由”を伝える

  • 本人が「できる」と答えても、火を使わせるのが危険で料理をさせていないなど、背景を必ず補足。
  • 「やっていない=できない状況」も認定上は重要な情報です。

③ 介護日誌や記録を用意する(1週間程度でOK)

  • 毎日の介護内容を記録した簡易メモ(日誌形式)を持参すると、実態が伝わりやすく、調査員の心証にも好影響です。
  • 食事・排せつ・転倒・夜間の呼び出しなど、「回数」や「時間帯」も書いておくと具体的です。

④ 「いちばん困っている時の状態」で説明する

  • 認定は「できる時」ではなく、「支援が必要な状態」に基づいて判断されます。
  • 日内変動がある場合(夕方に混乱するなど)、悪化時の様子をしっかり伝えることが大切です。

⑤ 医師の意見書も“生活状況”を反映してもらう

  • 通常の診察では医師は身体しか診ないこともあります。事前に家族から生活上の困りごとを医師に伝えると、意見書がより実態に即した内容になります。

💬 例:「薬の飲み忘れが多く、家族が毎回声かけしている」など

⑥ 家族の負担も“正直に”話す

  • 家族が介護を担っている状況も、支援の必要度に関わる重要な要素です。
  • 夜間の見守りで眠れない、仕事を休んで対応している…など、具体的な負担を伝えましょう。

⑦ 地域包括支援センターを味方にする

  • 初めての申請なら、地域包括支援センターで相談するのが鉄則!
  • 書類の書き方や面談時のアドバイスもしてくれますし、状況を第三者として説明してくれることもあります。

「できること」と「していること」は違います。
“家庭内で支えなければ生活が成り立たない”という実態を、遠慮なく伝えることが大切です。

ご本人の尊厳を守りながらも、家族の現実の負担と支援の必要性をきちんと届ける。それが、納得できる認定への近道です。

✅ 補足:スムーズに申請を進めるために

準備するものポイント
本人の保険証介護保険証、健康保険証を事前に用意
メモ帳日常の介護内容・状態のメモ
ケアマネ情報(あれば)すでに相談している場合は連携を

補足メモ欄(自由記入):気になる点や伝えたいことを自由にご記入ください:

🔖 使用方法

  • ご家族で話し合いながらチェック
  • 地域包括支援センターやケアマネと一緒に確認
  • 認定調査の前日までに準備しておくと安心!

家族が同席する際に、調査員に正確な情報を伝えるための準備メモとしてご活用ください。。

まとめ

「要支援」と「要介護」は、どちらも高齢者やその家族の生活を支える大切な制度ですが、その内容や支援の手厚さには明確な違いがあります。

自立を支える軽度の支援が中心の「要支援」と、日常生活に介助が必要な状態に対応する「要介護」。それぞれに合わせたサービスを受けることで、本人の暮らしやすさと家族の安心が守られます。

たとえば、70代で軽い不安を感じた時点で要支援の申請をしておくことで、将来の要介護状態を防げる可能性もあります。また、家族が「どこに相談すればいいかわからない」と戸惑うことのないように、地域包括支援センターや市町村の窓口の存在を知っておくことも大切です。

介護は誰にとっても“他人事”ではありません。突然始まることもあるからこそ、制度の違いを正しく理解し、必要なときに迷わず動けるよう、家族で話し合っておくことが大きな支えになります。この記事が、その第一歩になれば幸いです。

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