有料老人ホーム・サ高住・特養・グループホームの違いとは?後悔しない施設選びのコツ 施設選びのチェックリスト付き

当ページのリンクには広告が含まれています。
スポンサーリンク

近年、高齢化が進む日本では、「どこで老後を過ごすか」が大きな関心事となっています。昔は家族と同居するのが一般的でしたが、今では一人暮らしの高齢者も増えており、介護や見守りが必要になったときのために、住まいを見直す動きが活発になっています。

たとえば、「まだ元気だけど、一人暮らしは不安」と感じる70代の方や、「介護が必要になってきた親をどこに住まわせるべきか」と悩む子世代が、老人ホームや高齢者住宅を探し始めるケースが多く見られます。

その結果として、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、特別養護老人ホーム(特養)、グループホームなど、さまざまな選択肢が登場しています。

スポンサーリンク
目次

高齢者向け住まいの「違いがわかりにくい」と感じる方へ

こうした施設は名前も似ていて、ぱっと聞いただけでは違いがわかりにくいのが実情です。

たとえば、「サ高住と有料老人ホームはどう違うの?」「特養は誰でも入れるの?」といった疑問を持つ方は少なくありません。

実際、介護が必要かどうか、自立しているかどうか、認知症があるかないかによって、選ぶべき施設が大きく変わってきます。

この記事では、それぞれの施設の特徴や入居条件、費用の目安、どんな人に向いているかをわかりやすく紹介していきます。迷いや不安を感じている方の参考になれば幸いです。

1.有料老人ホームとは?

介護付き・住宅型・健康型の分類と特徴

「有料老人ホーム」とひとことで言っても、実は大きく3つのタイプに分かれています。それぞれ提供されるサービスや入居者の状態に応じた違いがあるため、まずはこの違いを知っておくことが大切です。

1つ目は「介護付き有料老人ホーム」。こちらは介護が必要な方が安心して暮らせるよう、施設側が介護サービスを提供してくれる施設です。職員が24時間体制でサポートしてくれることが多く、食事や入浴、排せつなどの日常生活の介助も受けられます。

2つ目は「住宅型有料老人ホーム」。こちらは基本的に自立して生活できる方向けの施設で、介護サービスは外部の訪問介護事業者などと契約して利用する形です。自分のペースで暮らしながら、必要なときだけ支援を受けたいという方に適しています。

3つ目は「健康型有料老人ホーム」。これは比較的元気な高齢者向けの住まいで、介護サービスはついていません。万が一、介護が必要になった場合は退去しなければならないことが多いため、完全に自立している方向けといえます。

入居条件と費用の目安

有料老人ホームは民間企業が運営していることが多いため、比較的自由度が高い分、入居にかかる費用も幅があります。

入居一時金として数百万円〜数千万円かかるところもあれば、入居金0円の月額支払い制のホームもあります。月額費用の目安としては、住宅型や健康型で15万〜30万円前後、介護付きの場合は20万円〜40万円ほどかかるケースが一般的です。

入居条件は施設によって異なりますが、基本的には60歳以上、自立〜要介護の高齢者が対象です。特に介護付きホームでは、要介護1以上でなければ入居できないケースもあるため、事前の確認が必要です。

向いている人のタイプ

「有料老人ホーム」は、次のような方に向いています。

  • 介護が必要になってきたけど、自宅での生活が難しくなってきた方
  • 家族に介護の負担をかけたくないと考えている方
  • 施設での手厚いサポートと快適な住環境を求めている方

たとえば、80代の女性で、軽度の認知症と足腰の衰えがある方が、介護付き有料老人ホームに入居した例では、食事や入浴の介助、見守り体制が整っていて安心感が高かったという声もあります。

一方で、比較的元気で趣味や交流を楽しみたい方には、健康型や住宅型がぴったり。自由度を保ちつつ、安心も得られる暮らしを求める方に選ばれています。

「有料老人ホーム」3タイプ(介護付き・住宅型・健康型)比較

項目介護付き有料老人ホーム住宅型有料老人ホーム健康型有料老人ホーム
対象者要介護1〜5の方自立〜要介護の方自立した高齢者
介護サービス施設が直接提供外部の訪問介護を利用提供なし(要介護になると退去)
医療・看護体制看護職員が常駐している施設も多い医療連携あり(外部)医療連携はほとんどなし
生活支援(食事・掃除など)基本的に含まれる含まれる(施設によって差あり)含まれる(生活支援重視)
入居一時金あり・なしを選べる施設が多いあり・なし両方の施設あり比較的高額な施設が多い
月額費用の目安20〜40万円15〜30万円15〜35万円
向いている方要介護状態で手厚いケアが必要な方自由度を保ちつつ介護も視野に入れたい方健康で自立しており、将来への備えがしたい方

2.サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは?

サ高住の基本的な仕組み

サービス付き高齢者向け住宅、通称「サ高住」は、主に自立して生活できる方や軽度の介護が必要な方を対象とした高齢者用の賃貸住宅です。バリアフリー設計が基本となっており、見守りサービスや生活相談といった「基本的な安心」が提供されるのが特徴です。

たとえば、70代の男性が一人暮らしに不安を感じてサ高住に入居したケースでは、「玄関にセンサーがあって、動きがなかったらスタッフが様子を見に来てくれる」など、安心して暮らせる仕組みに満足しているとの声もあります。

サ高住は「賃貸住宅+生活支援」という考え方に近く、自宅に近い感覚で住みながらも、ちょっとしたサポートを受けられるのが魅力です。

契約形態と提供されるサービス

サ高住の契約は、通常の賃貸住宅と同じ「賃貸借契約」です。そのため、入居一時金が不要な施設も多く、初期費用を抑えやすいというメリットがあります。ただし、敷金や礼金、保証金がかかる場合はあります。

提供されるサービスとしては、主に以下の3つが基本です。

  • 安否確認・見守りサービス
     定期的に職員が声をかけたり、センサーで居住者の様子を確認したりします。
  • 生活相談サービス
     ちょっとした困りごとや健康についての相談を、常駐のスタッフが受け付けます。
  • 緊急時対応
     急病や転倒時に、ボタン一つでスタッフが駆けつける体制が整えられています。

介護が必要になった場合は、入居者が外部の訪問介護サービス(介護保険適用)を個別に契約して利用することになります。

自立~軽度介護の方に向いている理由

サ高住は、完全な介護施設ではありません。そのため、介護が常に必要な方よりも、「自立しているけれど、今後のことが不安」「一人での生活に少し手助けがほしい」といった軽度のサポートを求める方に向いています。

たとえば、75歳の女性が「足腰は弱ってきたけれど、今すぐ介護は必要ない。でも家族も遠くにいて心細い」とサ高住に入居したところ、安心感と自由な暮らしが両立できたと話していました。

介護度が高くなっても、訪問介護や訪問看護の利用である程度の生活が維持できる点も、多くの方に支持されている理由です。

3.特別養護老人ホーム(特養)・グループホームとは?

特養とグループホームの違いと共通点

特別養護老人ホーム(特養)グループホームは、どちらも介護が必要な高齢者のための施設ですが、その目的や入居者の対象、サービス内容に違いがあります。

特養は、要介護3以上の高齢者を対象とした公的施設で、重度の介護が必要な方でも長期間安心して暮らせることが特徴です。食事、排せつ、入浴といった生活全般の介助が受けられ、医療との連携も整えられています。

一方、グループホームは、認知症の診断を受けた高齢者が、5〜9人程度の少人数で家庭的な環境の中、スタッフと一緒に生活を送る施設です。食事の準備や掃除などを可能な範囲で共同で行い、「できることは自分で」が基本です。

どちらも介護職員が常駐して支援を行いますが、特養は“介護が重い方”向け、グループホームは“認知症があるが比較的身の回りのことができる方”向けといった違いがあります。

入居条件と費用、申し込みの難しさ

特養は公的な施設であるため、入居費用は比較的抑えられており、月額の利用料はおおよそ6万〜15万円ほど(収入や自治体の助成により変動あり)とされています。ただし、その分人気が高く、地域によっては数ヶ月〜数年待ちというケースも少なくありません。

入居条件は「要介護3以上であること」が原則で、介護の必要性が高い人ほど優先される仕組みです。軽度の介護状態の方は、まず他の施設を検討することが一般的です。

グループホームも、費用は月額で12万〜20万円ほどと比較的リーズナブルですが、こちらは認知症の診断を受けていることが条件です。さらに、「住民票がその施設のある市区町村にあること」が条件となっている場合も多く、入居したい施設があっても地域要件を満たさないと入れないこともあります。

認知症ケアの視点から見る選び方

認知症の症状が進んできたとき、どの施設を選ぶかは非常に重要です。たとえば、夜間徘徊や妄想がひどく、目が離せない状態になった場合は、特養のように24時間体制で介護スタッフが常駐している施設が安心です。

一方で、まだ症状が比較的軽く、自分でできることが多い方には、グループホームのように共同生活を送りながら「役割」を持ち、自立支援を重視する環境のほうが向いていることもあります。

実際に、80代の男性が認知症と診断されて自宅での生活が難しくなった際、最初はグループホームに入居。数年後、症状が進行してから特養に移った、というケースもあります。このように、状態に応じて施設を段階的に選び直すことも選択肢の一つです。

有料老人ホーム・サ高住・特養・グループホームの違い

項目有料老人ホームサ高住特別養護老人ホーム(特養)グループホーム
運営主体民間企業民間企業・自治体自治体・社会福祉法人民間・NPOなど
対象者自立〜要介護自立〜軽度介護要介護3以上認知症の診断がある方
介護サービスあり(介護付き型)外部サービス利用常時提供常時提供
認知症対応一部対応基本なし専門的に対応
医療連携施設により異なる限定的看護職員配置あり施設により異なる
入居一時金あり/なし選択可なしが多い原則なしなし
月額費用の目安15〜40万円10〜25万円6〜15万円12〜20万円
入居のしやすさ空きが多め比較的入りやすい待機者が多い地域要件あり
生活の自由度比較的高い高いやや制限あり家庭的な環境で自立支援

✅ 高齢者施設選びのチェックリスト|あなたに合う住まいの条件を整理しよう

【ステップ1】施設を選ぶうえで、優先したい項目に ✔ をつけてみましょう

優先項目チェックメモ・希望内容(例:費用は月15万円以内)
介護の必要度に合っているか(例)要介護2、軽い支援だけ必要
認知症対応ができるか(例)認知症の診断がある、夜間徘徊がある
医療体制が整っているか(例)持病があり、看護師の常駐が必要
入居費用・月額費用が予算内か(例)月額は15万まで、入居金はなしが希望
家族が通いやすい立地か(例)自宅から車で30分以内が望ましい
個室か相部屋かを選べるか(例)なるべく個室がいい
自由度が高く、自立した生活が可能か(例)趣味や外出を続けたい
食事や生活支援がしっかりしているか(例)食事提供があり、掃除・洗濯支援がほしい
空室があり、すぐに入居できそうか(例)早めに入れる施設を希望
同年代との交流やイベントがあるか(例)同世代とおしゃべりできる環境が理想

【ステップ2】チェックが多かった項目から、あなたに合う施設の目安を確認

条件が当てはまる方向いている施設例
比較的元気で、見守りと自由を両立したいサ高住、健康型有料老人ホーム
自立しているが、将来に備えて介護体制も必要住宅型有料老人ホーム
要介護で生活全般のサポートが必要介護付き有料老人ホーム、特養
認知症で家庭での生活が困難グループホーム、特養

🗣 実例コーナー|私たち家族の施設選び体験談

【実例1】母が入居したのは「サ高住」でした

私(娘):母が75歳のときに軽い転倒をして、「ひとり暮らしが不安」と言い出しました。介護はまだ不要だったので、サ高住を選びました。

母:自由に出かけられるし、何かあったら見守ってもらえるので安心!ここにしてよかったわ。

【実例2】認知症の父は「グループホーム」へ

私(息子):父が認知症と診断され、家庭での介護に限界を感じた頃、グループホームを見学しました。

スタッフさん:うちは家庭的な雰囲気を大切にしています。本人ができることはなるべく自分で、という考えです。

【実例3】特養は「すぐに入れない」と知って驚いた

私(娘):母の介護度が上がって、特養を探し始めたら…「半年〜1年待ちです」って!もっと早く動くべきだったと後悔しました…。

ケアマネさん:特養は人気が高く、すぐには入れないことも多いです。介護付き有料老人ホームなどの一時利用も選択肢に入れてみてくださいね。

❓ よくある質問(FAQ)

質問(Q) 回答(A)
サ高住と住宅型有料老人ホームって何が違うの? サ高住は「賃貸住宅+生活支援」が基本で、介護は外部サービスを契約して利用します。住宅型有料老人ホームは、施設側が食事などの生活支援を行い、介護も外部サービスを使いますが、より施設色が強い点が違いです。
特別養護老人ホーム(特養)は誰でも入れますか? 原則として「要介護3以上」の方が対象です。申し込み順ではなく、介護の必要性や家庭状況に応じて優先順位が決まります。地域によっては待機期間が長いこともあります。
認知症がある親にはどんな施設が向いていますか? 初期~中期の認知症であればグループホームが向いています。進行して常時介護が必要な場合は、特養や認知症対応型の介護付き有料老人ホームを検討しましょう。
入居一時金がかかる施設とかからない施設の違いは? 有料老人ホームなど民間施設では、入居一時金があるところは初期費用が高めですが月額が安くなる場合も。一時金なしの場合は、月額費用がやや高くなる傾向があります。総額での比較が大切です。
実際に入居を検討するときは何から始めればいい? まずは親の状態を把握した上で、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談を。要介護認定の取得や、施設の資料請求・見学から始めるとスムーズです。

まとめ

高齢者の住まい選びは、本人の健康状態や希望する暮らし方、家族の支援体制によって大きく変わってきます。

まず、有料老人ホームは、手厚いサービスを希望する方や、介護が必要になったときにも安心して暮らしたい方に向いています。種類によって自由度や介護体制が異なるため、自立度や将来の見通しをふまえて選ぶのがポイントです。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、自立または軽度の介護が必要な方向けで、「今はまだ元気だけど、ひとり暮らしは不安」という方にぴったり。必要に応じて訪問介護を利用するなど、柔軟な暮らし方ができます。

そして、特別養護老人ホーム(特養)やグループホームは、介護が重度になった方や、認知症がある方に適しています。費用を抑えたい場合や長期的な入居を希望する場合は特養を、家庭的な雰囲気での暮らしを望む認知症の方にはグループホームがおすすめです。

いずれにしても、「元気なうちから情報を集めておくこと」が後悔のない選択につながります。自分や家族にとって無理のない、安心できる住まいを見つけるために、まずは比較しながら話し合ってみることから始めてみましょう。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次